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呪月の罪人は檻の中・6
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呪月の罪人は檻の中・6
by
shizuku
2024/04/30 08:05
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shizuku
遅ればせながら、更新です。
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{ "lines": [ { "c": "layer", "p": { "no": "0", "src": "266", "path": "20120818005224_72db3d07.jpg", "x": "0", "y": "0", "effect": "fadeIn" } }, { "c": "msg", "p": "【クリックでスタート】" }, { "c": "msg", "p": "朝日が昇りきった頃に、俺は双子の大声で起こされた。腹の上へのダイブ付きで。" }, { "c": "layer", "p": { "no": "2", "src": "2532", "path": "20170506192530_5d49a8c2.jpg", "x": "0", "y": "0", "effect": "fadeIn" } }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「おきろー! ねぼすけー!」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「殺す気か!! ……はぁ、一旦外で待っててくれ」" }, { "c": "layer", "p": { "no": "3", "src": "2531", "path": "20170505234808_4615670c.jpg", "x": "0", "y": "0", "effect": "fadeIn" } }, { "c": "layer", "p": { "no": "2", "effect": "fadeOut" } }, { "c": "msg", "p": "俺が着替えて部屋から出ると、双子はシャーベットを食べてる最中だった。" }, { "c": "msg", "p": "さっぱりした赤色と黄色を二人共むぐむぐ咀嚼(そしゃく)している。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「それ何味だ?」" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「ん〜、わすれたー。はい」」" }, { "c": "msg", "p": "……はんぶんこ、とか。懐かしいな。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「いただきます」" }, { "c": "msg", "p": "冷たいさりさりとした食感を味わいながら、何の味か考えてみる。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】(かたっぽはレモンだよなぁ。この赤い方はなんだ? ちょっと酸味があるけどレモンより甘いし……)" }, { "c": "msg", "p": "考えても考えてもしっくりくる食材が見つからない。" }, { "c": "msg", "p": "俺がモヤモヤしていると、またしても俺は二人に両脇を挟まれていた。なぜ両側に立とうとする。" }, { "c": "msg", "p": "何か補導されてる人みたくなるから、嫌なんだが。" }, { "c": "msg", "p": "・ ・ ・" }, { "c": "msg", "p": "昨晩、あの霧へ向かって、双子と友人になると宣言してしまった以上、それを実行しようと思う。が、どうすればいいのか分からない。" }, { "c": "msg", "p": "小学生時代を思い出しても、友人になる方法、なんて物があったかどうか怪しい。" }, { "c": "msg", "p": "あれ……俺、そもそも友達居たっけ。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】(あ、これだめだ。思い出せない)" }, { "c": "msg", "p": "しばらく歩くと、地下への階段らしき場所が遠目に見えて来た。" }, { "c": "msg", "p": "すると、突如として双子が口を開いた。" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「ユーシ。おにいちゃんはね」」" }, { "c": "msg", "p": "まさかその話題を振られるとは思わなかったので、驚きながらも、大人しく聞き役に徹する。" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「あたまがよくてね、おいしゃさんになるはずだった。いつもいってたの、『アンのびょうきはぼくがなおすから』って」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】(……病気?)" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「やさしくて、いつも、じぶんがそんするやくまわり。だけど、こまったかおでわらってた」" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「いつだって、じぶんはにのつぎで。わがままも、まともにいわない。アンはそんなおにいちゃんがだいすきだったの」」" }, { "c": "msg", "p": "双子はどこか遠くを見るような目で、でもどこか安心している顔で溜め息を吐いた。" }, { "c": "msg", "p": "俺は、ただ無言で二人の頭を撫でて、やっとのことで声を絞り出した。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……会ってみたかったな」" }, { "c": "msg", "p": "———死してなお、そこまでも家族に慕われる人間に。" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「あわせてみたかったなー。おもしろいことになったよー」」" }, { "c": "msg", "p": "死者の思い出を追憶することは、一様に悲しいことだと思っていた。けど、それもまた俺の無自覚な思い込みだったんだろうか。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「アンの病気はもう治ったのか?」" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「んー? あー! うそだよー」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……は?」" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「『アンのびょうき』は、おとうさんが、アンからおにいちゃんをひきはなすためについた、おおうそだよ」」" }, { "c": "msg", "p": "引き離すために周囲が嘘を吐く。よくドラマなんかで見る光景だ。" }, { "c": "msg", "p": "でも、それは大抵恋人同士だ。現実で血の繋がった家族間で起きているのは初めてみた。" }, { "c": "msg", "p": "そんな中、俺はどうでもいいことに気がつく。" }, { "c": "msg", "p": "何故、魔法使いのことは「ママ」なのに、父親のことは「おとうさん」なんだろうか?" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「お父さん……って魔法使いの夫か?」" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「ユーシばかなの? おばかなの?」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「おい、何で質問しただけでバカって言われんだよ」" }, { "c": "msg", "p": "双子はやれやれという風に首を振りながら、俺の正面に回り込んで笑顔で見上げて来た。" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「ここは檻で、アンは罪人。罪人はみんなべつべつのせかいからきてるんだよ。ママは、ははおやみたいなひとだから、ママってよんでるだけー」」" }, { "c": "msg", "p": "———「罪人はみんなべつべつのせかいから」?" }, { "c": "msg", "p": "どうやら、俺はまた勘違いをしていたようだ。説明が少ないこともあったかもしれないけれど。" }, { "c": "msg", "p": "ずっと、ここ魔界はある世界の、罪人たちの留置所のようなものかもしれないと勝手に結論づけていた。" }, { "c": "msg", "p": "けれど、そうじゃないのなら、罪人たちはなぜここに連れて来られて閉じ込められているのだろう?" }, { "c": "msg", "p": "わざわざ別の世界から。" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「あー、でもちょっとちがう?」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「誰か例外でも居るのか?」" }, { "c": "msg", "p": "ドールが言っていたように。" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「きほんはべつべつなんだって……でもふたりぐらいはおなじせかい? かも」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「曖昧だなぁ……」" }, { "c": "msg", "p": "まあ、そうじゃなきゃ双子が来れないもんな。" }, { "c": "msg", "p": "・ ・ ・" }, { "c": "msg", "p": "地下への階段は灰色で明かりも見えない。正直、普段なら入りたいとは思わない。" }, { "c": "msg", "p": "苦笑いを浮かべる俺に双子は、金色の鎖が巻き付いた球体を渡して来た。" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「ユーシー、ランタンあげるー」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「ありがとう。これ、戻って来たら返せばいいのか?」" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「ううんー。それつくったひとが、あとでちかにくるからわたしてー」」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「わかった……またな」" }, { "c": "msg", "p": "【アン&アン】「「またねー、いきろよ——」」" }, { "c": "msg", "p": "俺が双子の励まし(?)を背に、おそるおそる足を踏み入れて行くと、ぼんやりと球体が光り出した。" }, { "c": "msg", "p": "その光を頼りに進む中、階段の先に開けた空間が見えて来た。" }, { "c": "layer", "p": { "no": "4", "src": "2534", "path": "20170506193704_2d39b735.jpg", "x": "0", "y": "0", "effect": "fadeIn" } }, { "c": "layer", "p": { "no": "3", "effect": "fadeOut" } }, { "c": "msg", "p": "景色の急な変化に戸惑いながら、土肌がむき出しの地面に足を乗せる。" }, { "c": "msg", "p": "そこには一本の枯れ木以外に植物が見当たらず、ただ墓石が等間隔に置かれていた。" }, { "c": "msg", "p": "明かりとしてなのか、辺りを橙色のひし形のランプが浮遊している。" }, { "c": "msg", "p": "十字架の形の墓石には蔦や苔が絡み付いているが、俺の左隣にある墓石には……昨日双子が折った矢車菊の折り紙が置いてあり、それだけは蔦も落とされている。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】(これが、双子の兄貴の墓か)" }, { "c": "msg", "p": "彼も罪人だったのだろうか、とかは一旦置いといて、俺はそれに向かって手を合わせた。そうするべきだと思ったから。" }, { "c": "msg", "p": "そして、先ほどから視線をそらしていた、この空間の中央に置かれた棺桶に向かい合った。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……これか」" }, { "c": "msg", "p": "『手始めに棺を叩いておいで』" }, { "c": "msg", "p": "俺の脳裏にクリスさんの楽しそうな笑みとともに、低音な彼の声が掠めていく。" }, { "c": "msg", "p": "彼は何故あんなにも確信を持って俺にこんなことを言ったのかは分からない。" }, { "c": "msg", "p": "とにかく、何でもやれることをすると決めたばかりだ。" }, { "c": "msg", "p": "俺は意を決して右手でしっかりと握りこぶしを作る。と、同時に枯れ木から突然バサバサと羽ばたく音が聞こえて来た。" }, { "c": "msg", "p": "【??】「オレネムイ!ネル!」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「ひぁわ!」" }, { "c": "msg", "p": "抑揚の無い機械のような声に驚いて、俺が大げさに声を上げると、そいつは枯れ木の枝から棺桶に移動してくる。" }, { "c": "msg", "p": "そいつは自身の翼を休ませながら棺桶の淵に器用に捕まった。" }, { "c": "msg", "p": "【鸚鵡】「ヒァワ!」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……なんだオウムか……って魔界に居るの!?」" }, { "c": "msg", "p": "【鸚鵡】「イルノ! イルノ!」" }, { "c": "msg", "p": "慌てて枯れ木に目をやれば、先ほどには無かった金属製の鳥籠があった。小さな扉が開けられて音をたてている。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】(気がつかなかった……)" }, { "c": "msg", "p": "目の前の生き物にどう接するか迷う中、俺はあることを思いついた。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】(棺桶叩いたら、オウムも飛んでくんじゃね?)" }, { "c": "msg", "p": "正直なところオウムには申し訳ないが、用があるのはその中に居るであろう棺屋だ。ちょっとそこから退いてもらうとしよう。" }, { "c": "msg", "p": "———ダンダンッ" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……あれ。どかねぇな……」" }, { "c": "msg", "p": "俺が棺桶を叩いた音は四方八方に響いた。しかし、オウムはのんきに頭をかいている。" }, { "c": "msg", "p": "何の変化も現れずがっかりしながら、棺桶に近づくためにしゃがみ込んだ体を起こした。" }, { "c": "msg", "p": "それとちょうどに棺桶が軋み、がたがたと鳴り始める。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「ひぃ!?」" }, { "c": "msg", "p": "俺は息を飲み急いでその場から離れる。" }, { "c": "msg", "p": "しばらくガタガタ揺れ続けた後、棺桶の蓋がゆっくりと開き、オウムはその上空を羽ばたいた。" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋?】「…………あん? 誰だてめぇ」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……えっと、その、俺は」" }, { "c": "msg", "p": "謎の緊張感が俺とその人の間を漂う。" }, { "c": "msg", "p": "俺から名乗るのが礼儀なのだろうが、目の前の人の雰囲気の前に、まともに動く事も出来ない。" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋?】「男、アジア……日本人、んで未成年」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……え?」" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋?】「その服……学生服だっけ。じゃあ16、17歳か……ちょうど思春期スパートの時だな。めっんどくせっ」" }, { "c": "msg", "p": "その人は淡々と俺への考察を述べて、先ほどまで放たれていた殺気とも言える威圧感を収めた。" }, { "c": "msg", "p": "俺が声をかけようとするやいなや、上空からオウムが彼の肩めがけて降り立つ。" }, { "c": "msg", "p": "【鸚鵡】「オハヨー! オハヨー!」" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋?】「はよ」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】(あ、なんか、置いてかれてる気がする)" }, { "c": "msg", "p": "棺屋は一度大きなあくびをすると、黒髪を揺らして俺の方に視線を向けて来た。 " }, { "c": "msg", "p": "俺ははっとして、ここに来てから何度目か分からないセリフを言ってみる。" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……香山 友志です」" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋】「ん。オレは棺屋、こっちは鸚鵡」" }, { "c": "msg", "p": "自己紹介らしきものを終えると、棺屋はあくびを零しながら話を続けた。" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋】「……で。手前何でここに行けって言われたか、分かってんのか?」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「……分かんない、です」" }, { "c": "msg", "p": "俺が悩みながらそう言うと、棺屋は「面倒だ」と言わんばかりの態度をまといながら、ようやく棺桶から出て来てくれた。" }, { "c": "msg", "p": "と言っても、棺桶を閉じてその上に座っただけだが。" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋】「クリスの野郎……説明しとけや。まあいい、見た方が早いだろ……」" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「へ? 何をーー」" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋】「ーー鸚鵡!!!」" }, { "c": "msg", "p": "彼がそう呼び終えた直後に、オウムはすぐさまに一つの墓石に止まった。" }, { "c": "msg", "p": "すると、棺屋が深く息を吸い込んで、何かを語り始めるように口を開く。" }, { "c": "msg", "p": "【棺屋】「クォフ・ヘト・カーフ———真実を写せ」" }, { "c": "msg", "p": "男性にしては高めの声で棺屋は不可思議な呪文を唱える。" }, { "c": "msg", "p": "そして、突如として鸚鵡が止まっている墓石だけがぼんやりと光り始めた。" }, { "c": "msg", "p": "最初は淡い橙色だった光は、紫色になり、そして徐々に透明に変わっていった。 " }, { "c": "msg", "p": "その光景に注目していると、そこに一つの病室が写りこむ。" }, { "c": "layer", "p": { "no": "6", "src": "266", "path": "20120818005224_72db3d07.jpg", "x": "0", "y": "0", "effect": "fadeIn" } }, { "c": "layer", "p": { "no": "4", "effect": "fadeOut" } }, { "c": "msg", "p": "しかも、" }, { "c": "msg", "p": "【友志】「は?」" }, { "c": "msg", "p": "ーーーその病室のベッドには至る所に包帯が巻かれた、俺が横たわっていた。" }, { "c": "msg", "p": "・ ・ ・" }, { "c": "layer", "p": { "no": "5", "effect": "fadeOut" } }, { "c": "msg", "p": "【後書き】" }, { "c": "msg", "p": "こんなだらだらした物語をここまで読んで下さり、ありがとうございます!" }, { "c": "msg", "p": "制作者の雫です。" }, { "c": "msg", "p": "今回出て来た棺屋や、前回の霧のキャラ紹介は次の話で、" }, { "c": "msg", "p": "鸚鵡に関しては最終話後のおまけでやります。(本編に関係が無いので)" }, { "c": "msg", "p": "プレイありがとうございます!" }, { "c": "msg", "p": "・ ・ ・" }, { "c": "layer", "p": { "no": "6", "effect": "fadeOut" } }, { "c": "layer", "p": { "no": "1", "src": "1716", "path": "20160506135800_bfc5e9fd.jpg", "x": "0", "y": "0", "effect": "fadeIn" } } ] }