呪月の罪人は檻の中・０ : ドリームメーカー

呪月の罪人は檻の中・０

shizuku 2024/10/28 20:26 96 0 0 0

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shizuku ーー少年は異世界を奔走する。自身の『理由』を探すため。

※中編です。週一で、一章ずつ公開していきます。
作者が他サイトで完結させた小説を元にした、ノベルゲームです。
0〜10ほどのエピソードに分かれると思われます。
※一本道シナリオ(小説まんまなんで……)

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      "p": "このシリーズには、少しばかりの暴力描写があります。"
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      "p": "しかし、暴力や犯罪行為を容認・推奨するものではありません。"
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      "p": "また、作者の力量的に、期待しすぎるとプレイヤー様ががっかりしてしまう可能性が高いです。"
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      "p": "ご理解頂けましたら、どうぞ気楽にお楽しみ下さい　(by雫)"
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      "p": "ーー頭に熱が溜まって勝手に言葉が口をついてくる。"
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      "p": "ーーそんな経験は無いだろうか。"
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      "p": "そんな風に、自分の頭のどこかが他人事のように言うのを自覚はしていたんだ。"
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      "p": "けれど、俺の目の前で起きたことには我慢ならなかった。俺だって家族の一員だと、そう思っているのに。父さんも母さんも何も言ってくれなかった。"
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      "p": "　俺には、何も教えてくれないで。"
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      "p": "その言葉は俺にとって……家族に一番言われたくないものだったんだよ。父さん。"
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      "p": "俺は父さんと母さんに向かって、言いたいことかどうか自分でも分からないことを喚き散らした後に、財布も携帯電話もましてやICカードすら持たずに家から飛び出した。 "
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      "p": "そしてその勢いで、まともに周りも見ず、ひたすら冬の寒い中を走っていった。"
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      "p": " 近所にある一軒家が建ち並ぶ住宅街を通り過ぎていると、昔よく兄と来た里山の入り口が見えてきた。"
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      "p": "俺は普段なら感傷に浸るその場所すらも今は無視して、街灯が所々消えている道路の脇を走る。"
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      "p": "そのせいかもしれない。"
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      "p": "周りが白い霧に囲まれていると俺が気がつくまで、家を飛び出してから20分ぐらいかかったのは。"
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      "p": "少ししてようやく頭が冷え、俺はやっと疑問を口にすることができた。"
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      "p": "【友志】「ここ……公園じゃねぇの？」"
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      "p": "俺が無我夢中で走っていたのが歩き慣れた高校への通学路なら、この辺りには小さな公園があったはずだ。"
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      "p": "そもそも、俺が住んでいるこの町に霧がかかったことなんて一度も無い。それも足下がかろうじて見える程のものなど、ニュースでも見たことが無い。"
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      "p": "しかもその霧は、所々蜘蛛の糸みたいな銀糸が漂っているように見える。"
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      "p": "先ほどまで怒りや悔しさで埋め尽くされていた頭の中は、今や、理解が追いつかない状況でかき混ぜられてぐちゃぐちゃになっていた。"
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      "p": "俺がその光景をただの夢だと願い目を瞑ったのとちょうどに、靴の底から階段ですべったような嫌な感覚が伝わって来る。"
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      "p": "ーーーそして一瞬だけ体が宙に浮いた。ような気がした。"
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      "p": "  何か、ありえないことが起きている、と。"
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